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GPU学園投稿企画

ストーリー

次の日の昼休み。ちちぷいちゃんが校庭のベンチに座っていると、ふと背中にじんわりと熱を感じた。
「……あつい?」
風はあるのに、なぜか体がもわっとする。
まわりの生徒たちも、少しそわそわしている様子だ。
「ししょちゃん、これって……?」
「どうやら“熱”がたまってきてるみたいね。処理が多すぎて、学園の中の温度が上がってる……」
GPU学園では、みんなが“はたらく”ことで生まれる熱を、冷却(れいきゃく)ユニットたちが処理してバランスを保っている。でも今日は、そのバランスが崩れているらしい。
「こんな時のために、“クーリング部”がいるの。学園の温度管理を担当してる専門チーム」
ししょちゃんの案内で、ちちぷいちゃんは屋上にある冷却センターへ向かった。
そこでは、白い制服を着たクーリング部の部員たちが、氷や風の力で必死に温度を下げようとしていた。
「だめだ!全然おさまらない!」
「学園の下層から、じわじわと熱が押し寄せてくる!」
そのとき——
「だったら、カレーで汗をかかせればいいんじゃない?」
現れたのは、真っ赤なエプロンに身を包んだ食堂部のエース・スパイシー先輩だった。
「カレー……?」
「そう!辛いものを食べて汗をかけば、体感的には涼しくなるでしょ?いわば**“内側からの冷却”**ってわけさ!」
「それは……理にかなってるけど、ちょっと強引すぎないかしら……」
クーリング部と食堂部、冷たさと辛さの正義をかけた冷却論争が始まった。
「さあ、どっちが真の冷却法か、勝負で決めようじゃないか!!」
勝負の内容は、「冷却ランチ対決」。どちらのメニューが“より涼しくなれたか”を生徒たちに決めてもらうという、なんとも学園らしい(?)勝負だった。
ちちぷいちゃんはししょちゃんと一緒に、両方の料理を味見した。
クーリング部の「氷入り冷やしシチュー」は、口の中でとろけるような冷たさと優しい味。
一方、食堂部の「激辛スパイスカレー」は、一口で汗が噴き出す刺激的な味……なのに、食べ終わる頃には不思議とスッキリしていた。
「どっちも……すごい……」
生徒たちの投票結果は、まさかの“引き分け”。
それを受けて、両部はコラボメニュー「ひやスパカレー」の開発に乗り出すことになった。
「熱くなっても、ぶつかっても、最後は“まぜる”のがいちばん強いの」
ししょちゃんがそう言って、無邪気に笑ってみせた。
その笑顔を見たちちぷいちゃんは、心の奥で何かがふわりとあたたかくなるのを感じていた。
(……あの笑顔、また見たい。もっと近くで、ずっと)


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